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不動産の生前贈与と相続の違いは?選ぶ際の比較ポイントを紹介

不動産売却

落合 琢麻

筆者 落合 琢麻

不動産キャリア2年

家が決まったらそれで終わりな関係ではなく、その後もいい関係が築けるよう心のこもった対応を心がけます。弊社は不動産だけでなく、税務でもプロです。様々なご相談お待ちしております。

不動産を家族に残す際、「生前贈与」と「相続」のどちらが良いか悩んでいませんか?


税金や手続き、費用など、選び方によって将来的な負担が大きく変わるため、違いを正しく把握することが大切です。



本記事では、生前贈与と相続の特徴や税金、手続き、制度の違いをわかりやすく解説します。自身の状況に合った選択を考えるための具体的なポイントもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

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生前贈与と相続、それぞれの特徴と基本的な違い

生前贈与とは、不動産の所有者が生存中に、自らの意思で任意のタイミングと相手に財産を渡す方法です。

一方、相続は所有者の死亡によって財産が法定相続人に移転する形態で、タイミングと受け取り手の自由度に大きな差があります。


生前贈与は「いつ・誰にでも」渡せる自由がありますが、相続は法的に定められた相続人が対象となります。


課税対象となる税金にも違いがあります。

生前贈与では贈与税が、相続では相続税が課せられます。


一般的に贈与税の税率は相続税よりも高く設定されており、同じ金額の不動産を移転すると、贈与税のほうが税負担が重くなる傾向があります。



以下の表では、両者の基本的な違いを整理しています。

項目生前贈与相続
タイミング存命中に任意のタイミングで死亡後に発生
渡す相手自由に指定可能法定相続人が基本
課税される税金贈与税(税率高め)相続税(基礎控除等あり)

税金負担と控除制度の比較

不動産の生前贈与と相続における税金負担や控除制度は、それぞれ特徴があり、ご自身の状況に応じて適切に選択することが重要です。

まず、生前贈与では、暦年贈与制度として「年間110万円までの贈与は贈与税が非課税」となり、この範囲であれば税負担がありません。


一方で一定額を超える場合には、累進課税による高い税率が適用されます。

また、相続時精算課税制度を使えば、贈与累計額が2,500万円まで贈与税が非課税になりますが、贈与時に非課税となっても、後に相続税で精算される仕組みのため、相続税が安くなるわけではありません。



相続の場合は「基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人の数」が適用され、遺産総額がこの範囲内であれば相続税がかかりません。


さらに「小規模宅地等の特例」により居住用宅地などは評価額が減額され、税負担が大幅に軽減される可能性があります。



次に、登録免許税や不動産取得税などの諸費用にも大きな差があります。

生前贈与では登録免許税が固定資産税評価額の2%、不動産取得税は土地で令和9年(2027年)3月31日まで3%(特例適用時)という高い税率がかかります。 


一方、相続では登録免許税が固定資産税評価額の0.4%と低額で済み、不動産取得税は課されません。

下表にこれらを整理しました

項目生前贈与相続
贈与税/相続税の控除暦年110万円非課税、相続時精算課税(2,500万円まで非課税)あり基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人、小規模宅地特例など
登録免許税固定資産評価額×2%固定資産評価額×0.4%
不動産取得税課税される(例:土地3%等)非課税

以上のように、生前贈与と相続では税金や制度の適用に大きな違いがあり、特に金額規模や将来の相続総額によって有利になる選択が変わります。専門家によるシミュレーションで判断することをおすすめいたします。



手続き・費用・制度利用の注意点

生前贈与と相続の際の不動産手続きについて、具体的な注意点を整理してご案内いたします。

項目生前贈与相続
登録免許税 固定資産税評価額×2%。相続登記の5倍に相当し、負担が大きくなります。 固定資産税評価額×0.4%。税率が低く、場合によっては一定の免税措置があります。
不動産取得税 土地・建物ともに原則課税(例:評価額×3%)。居住用建物などは軽減される場合あり。 課税されないため、大きな節税となります。
加算期間・法改正への注意 法改正により相続登記は2024年4月1日から義務化され、所有者不明対策として免税措置も設けられています。

以下で各項目について具体的に解説いたします。

まず、生前贈与に伴う登記手続きでは、「贈与契約書」の作成が前提となり、登記申請時に提出する必要があります。


書類としては、登記済証(登記識別情報)、印鑑証明書、固定資産評価証明書などが必要です。


贈与登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額の2%で、相続登記に比べて非常に高額なコストとなります。


司法書士に依頼する場合には、別途報酬が発生するため、事前に見積もりを確認しておくことが望ましいです。


法務局への登記以外にも、不動産取得税(評価額×3%が目安)が課税され、場合によって軽減措置の対象になることもありますので、居住用条件なども確認が必要です。

一方で、相続による名義変更(相続登記)は、被相続人の死亡を契機として行うものであり、贈与契約は不要ですが、複数の戸籍や遺産分割協議書など多数の書類準備が必要となります。


登録免許税は評価額の0.4%と低率ですが、2024年4月1日から相続登記の義務化がスタートし、適用要件を満たせば一定期間、免税措置が受けられる場合もあります。


なお、相続による不動産取得税は課されません。手続きや税負担を軽減するには、該当する税制改正の施策内容について最新情報を確認することが重要です。

また、相続登記の義務化や免税措置には期限があり、例えば所有者不明土地対策の免税措置は2025年3月31日までの時限措置であるため、申請時に法的記載の漏れがあると適用が受けられないことにも注意が必要です。

以上のように、生前贈与・相続それぞれにメリット・デメリットが明確にあり、税務・登記手続きともに複雑なため、専門家のサポートを得て正確な情報と手続きを進めることが重要です。


ご自身の状況に応じた検討ポイント

不動産を生前贈与するか相続するかを選ぶ際は、ご自身やご家族の資産状況やご希望を踏まえて判断することが重要です。以下の点をご確認ください。

状況検討ポイント具体的な利点
財産総額が相続の基礎控除額以下 相続の方が税負担が軽くなる可能性 相続税が発生せず、生前贈与に伴う贈与税や取得税などの負担が不要
早めに確実に財産を渡したい 生前贈与のメリットを活かす 受贈者が即活用可能、相続トラブルや認知症による影響を避けられる
将来の税負担が心配 専門家によるシミュレーションが必要 贈与税・相続税・手続費用など総合的に評価して最適な方法を判断できる

まず、財産の総額が相続税の基礎控除額を下回る場合は、相続を選ぶことで贈与税や登記関連費用がかからず、結果的に税負担が軽くなることが多いです。


具体例として、基礎控除額が大きく設定されており(例:3,000万円+600万円×法定相続人)、控除内であれば相続税はかかりません。これは生前贈与の非課税枠を活かすよりもメリットが大きくなる要素です。



一方、早い段階で財産を確実に渡したい場合には、生前贈与が有効です。相続時のトラブル防止や、贈与後すぐに不動産を活用できる点は大きなメリットです。特に、不動産収益を次世代に引き継ぎたい、あるいは判断能力が低下する前に手続きを済ませたい方には適しています。



また、不動産は評価額や税制度の影響が大きいため、どちらが適切かは財産規模や条件によって変わります。


例えば、相続時精算課税制度や暦年贈与を組み合わせることで負担を抑える場合もありますし、小規模宅地等の特例を使えば相続の方が有利になる場合もあります。



したがって、最適な選択をするには、税理士や司法書士などの専門家にご相談いただき、贈与税・相続税・登記費用などすべてを含めたシミュレーションを行うことが不可欠です。これにより、ご自身やご家族にとって最も合理的な方法を判断できます。

まとめ

不動産の生前贈与と相続には、それぞれ特徴や税金、手続きの違いがあります。生前贈与は財産を確実に早く渡せる一方、贈与税が発生しやすい点に注意が必要です。相続は原則として控除枠が大きく、税負担が軽減されることも多いですが、手続きを見越した準備が欠かせません。どちらがより適しているかは、資産状況やご家族の希望により異なります。ご自身に合った方法を選ぶには、制度の最新情報を把握し、専門家に相談することが安心につながります。

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