空き家を放置するとどうなる?放置のデメリットや売却方法も解説

空き家

藤本 尚士

筆者 藤本 尚士

不動産キャリア5年

長い付き合いをしたいので、その場しのぎはしません。相続税など税金対策や、節税の仕方などは、プロです。不動産収益物件の売買もぜひお任せください。熊本市の不動産売買専門の新日本不動産株式会社へまずはご相談ください。

空き家を放置するとどうなる?放置のデメリットや売却方法も解説

住む予定のない空き家をそのまま放置し続けると、さまざまなデメリットがあります。
とくに、経済面や安全面においては、思わぬトラブルに発展しやすいため注意が必要です。
そこで今回は、空き家を放置するデメリットと税金問題のほか、おすすめの売却方法を2種類解説します。

空き家を放置するデメリット

空き家を放置するデメリット

空き家を放置したとしても、それほど大きなデメリットはないと考えるかもしれません。
まずは、空き家を放置した場合に考えられる具体的なデメリットをチェックしてみましょう。

デメリット①老朽化が進み住めなくなる

誰も住まなくなった空き家を放置した場合、誰かが住んでいる住宅と比較して、老朽化が急速に進んでしまいます。
空き家で老朽化が進みやすい理由は、換気や清掃などがいき届かないためです。
長期間換気がされていない空き家は、湿気がたまり、カビが発生しやすい状態となります。
また、人の目が届きにくく、シロアリ被害が発生したとしても、被害に気がつくのが遅れてしまいます。
こうした要素が重なり、空き家では老朽化が急速に進むのが一般的です。
また、屋根の塗装が劣化してしまうと雨漏りが発生しますが、こうした浸水被害に気づきにくいことも空き家の特徴です。
カビや雨漏りの被害が大きくなると、空き家全体の腐食が進み、将来的に住もうと考えていても住めなくなります。

デメリット②犯罪のターゲットになる

外から見て空き家だと判断できる場合、放火犯罪などのターゲットになりやすいです。
人の気配がある家は、放火のターゲットになりにくい一方で、人の目がない空き家は放火被害にあいやすくなります。
また、人の目の有無だけでなく、庭に落ち葉や紙くずなどの燃えやすいゴミが散乱している空き家は、放火の被害が大きくなりやすいです。
さらに、室内に不審者が侵入することも、空き家で発生しやすい犯罪被害のひとつです。
単に不審者が寝泊まりするだけでなく、場合によっては空き家を拠点として詐欺などの犯罪がおこなわれることがあります。

デメリット③近隣トラブルが発生する

空き家を放置した場合、周辺住民へ迷惑をかけてしまい、近隣トラブルに発展しやすいことがデメリットです。
トラブルの具体的な例としては、空き家の敷地から伸びた庭木や雑草が、隣の敷地まで入ってしまうものが挙げられます。
また、劣化が進んだ壁や屋根瓦が落下し、隣の家に被害を与えることも考えられます。
もちろん、空き家が放火のターゲットになった場合、自分が所有する空き家だけでなく、近隣に延焼するため注意が必要です。

空き家を放置した場合に税金はどうなる?

空き家を放置した場合に税金はどうなる?

誰も住まない空き家では、固定資産税などの支払いが不要だと考えるかもしれません。
しかし、空き家でも税金がかかるのはもちろんのこと、場合によってはその負担が大きくなります。

空き家に対する固定資産税

不動産にかかる税金として知られているのが、固定資産税です。
固定資産税は、居住中の住宅だけでなく、空き家を含む不動産に課せられる税金です。
固定資産税の納付義務を負うのは、1月1日時点における不動産の所有者となります。
そのため、たとえ空き家であっても、自分が所有している不動産であれば、固定資産税を支払う必要があります。
また、土地計画法で市街化区域に該当する場所にある空き家の場合、固定資産税以外に都市計画税の納付が必要です。

空き家の固定資産税が6倍になる条件

空き家のなかでも、特定空家に指定された場合、固定資産税が最大で従来の6倍になります。
特定空家とは、自治体によって危険な状態にあると判断された空き家で、社会問題である空き家問題解消のために設けられた法的な規制対象となる空き家です。
特定空家に指定されると、固定資産税の計算において、通常の空き家に適用されている住宅用地の特例が適用されなくなります。
住宅用地の特例では、最大で6分の1の軽減税率が適用されますが、特定空家はこの軽減措置が受けられなくなり、結果として固定資産税が6倍になります。
特定空家に指定される条件は、放置により倒壊の危険または衛生上有害な可能性があることです。
また、管理不足により景観を損なっているほか、庭木が道路の通行を妨げるなど、周辺の生活環境に影響があることも、特定空家に指定される条件です。

税金負担が増えるまでの流れ

空き家を放置した場合、すぐに固定資産税が6倍になるのではなく、それまでにいくつかの段階があります。
まず、自治体が管理不足の空き家を確認したら、状況改善に向けて助言や指導をおこないます。
これに従い、危険な状態を解消したならば、特定空家として税金負担が増えることはありません。
しかし、改善をおこなわない場合には、修繕または除去について書面で勧告を受けます。
これにも対応しないと、勧告を受けた翌年の固定資産税が最大で6倍になります。
さらに、増税に至っても状況が改善されない場合、50万円以下の罰金対象となるだけでなく、強制的に危険な空き家が解体され、その費用を請求されることに注意です。

放置していた空き家を売却する方法

放置していた空き家を売却する方法

空き家は放置せず、早めに売却するのがおすすめです。
しかし、空き家の状態によっては売却方法に制限があるため、具体的な内容を確認してみましょう。

古家付き土地として売却する

親から相続した空き家などの場合、築年数が古すぎて一般的な中古住宅としては売れないことがあります。
築年数が古い空き家は、古家付き土地として売却するのがおすすめです。
古家付き土地とは、木造住宅の法定耐用年数である22年よりも古い空き家が建っている土地のことです。
空き家部分に資産価値はほとんど残っていませんが、空き家の状態によってはそのまま住めることがあります。
古家付き土地として売却するメリットは、解体の手間とコストをかけずに手放せることです。
また、古家付き土地を安く購入して、自由にリフォーム・リノベーションがしたいと考える買い手候補が一定数いるため、売却活動がしやすいこともメリットといえます。
ただし、古すぎる空き家が残っていると、売れ残るリスクが高くなることは、注意点です。

更地にしてから売却する

古家付き土地として売却できない場合には、更地にしてから売却するのがおすすめです。
築年数の古すぎる空き家が残っていると、そのままでは住めないことから買い手がつきにくくなります。
しかし、住めない状態の空き家を解体し更地にすれば、注文住宅を建てるための土地を探している方との取引が可能となることがメリットです。
とくに、解体のコストや手間を減らしたい買い手にとっては、古家付き土地よりも更地のほうが魅力的に感じられます。
また、建物がない状態の更地には、土地の状態を確認しやすいメリットがあります。
より安全なマイホームを建てたいと考えている方であれば、地盤調査のほか、土壌調査・地中埋没物調査がしやすい更地のほうが購入しやすいでしょう。
ただし、更地にするためにはコストがかかることと、更地にした後は固定資産税が高くなることは注意点です。
住宅がない状態の更地には、固定資産税が最大で6分の1になる住宅用地の特例が適用されません。
固定資産税の金額は、1月1日における不動産の状態で判断されるため、1月2日以降に解体したうえで、年内に売却すれば所有期間中の増税を避けられます。
すぐに解体しなければならないほど危険な状態ではないならば、更地にするタイミングを調整するのがおすすめです。

まとめ

空き家を放置した場合、老朽化が進み住めなくなるほか、犯罪や近隣トラブルが発生しやすくなります。
また、空き家であっても毎年固定資産税がかかり続け、危険な状態の特定空家に指定された場合には、住宅用地の特例が適用されなくなります。
2種類の売却方法それぞれのメリットをチェックして、自分に合った売却方法を確認してみてください。


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