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擁壁物件が売れにくいのはなぜ?理由や売却時の注意点を解説

不動産売却

擁壁(ようへき)があるご自宅を売却する際、

「なかなか買い手が見つからない」「価格が下がってしまうかも」

といった不安を抱えていませんか?


本記事では、なぜ擁壁付きの住宅が売れにくいのか、その理由をわかりやすく解説します。


安全性の確認が取れていない擁壁の不安、補修費用が価格にどう影響するか、法律上の責任まで、具体的な視点でお伝えします。



読み進めることで、売却の準備をぐっと前進させられる内容になっています。


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擁壁がある家が売れにくい主な理由

擁壁付きの住宅は、以下のような理由により、売却時に買い手が慎重になる傾向があります。

理由 説明
安全性の不安 特に昭和時代以前に施工された擁壁は、現行基準による構造計算を満たしていない可能性が高く、安全性の検証がされていないと買い手に不安を与えます。
古い構造のリスク 大谷石や玉石、ブロック積みなど、古い材質や二段積み構造の擁壁は、現在の安全基準に適合しない構造であることが多く、崩壊などリスクが懸念されます。
許可・書類の不備 高さが2メートルを超える擁壁には建築基準法や宅地造成規制法に基づく許可が必要ですが、過去に手続きが適切にされていない場合、買い手が懸念を抱きやすくなります。

まず、安全性への信頼が欠けていると、買い手は購入をためらいます。


特に平成12年以前に築造された擁壁は、構造計算や設計基準が緩やかだったため、現行の安全要件を満たしているか疑問視されがちです。


こうした擁壁付きの敷地は、工事費用を差し引いた価格になる傾向があります。

また、昔からある大谷石や玉石の擁壁、あるいは異なる素材で二段に積まれている構造などは、統一された基準で作られておらず、現代の安全性の要件とは異なるものと判断されることがあります。


そのため、専門家による安全性の評価がない状態では、買い手が入力を強く感じる原因となります。

さらに、擁壁の高さが2メートルを超える場合は、建築基準法や宅地造成規制法、あるいは都市計画法などの許可が必要になります。


これらの許可や関連書類(検査済証など)が整備されていない、あるいは確認が困難な状態では、買い手側から「法的に問題があるのではないか」と懸念され、売却が進みにくくなることがあります。

擁壁による売却価格への影響とその仕組み

擁壁に問題がある場合、将来の補修費用が売却価格に直接影響します。


買主や金融機関は、将来的に負担となるリスクを考慮し、売却価格を据え置きや値下げを求めることが一般的です。

例えば、ひび割れ補修には1メートルあたり5~10万円、全面補強となると延長10メートルで100~200万円ほどかかります。また、解体の場合は延長10メートル・高さ2メートルで150~200万円前後といった相場もあります。このような工事費用は、売却価格の交渉材料として反映されることが多いです。

工事項目費用の目安売却時の影響
ひび割れ補修1mあたり5~10万円補修費用分の査定減につながりやすい
全面補強工事10mで100~200万円売価に数百万円単位の値引き圧力を生む可能性
解体による更地化10m・高2mで150~200万円解体費見込みが価格調整に反映される

また、金融機関によっては、擁壁のある傾斜地は整地や安全対策に費用がかかるとみなし、担保評価を低くすることがあります。このため、住宅ローン審査で融資額が抑えられたり、金利が不利になったり、場合によっては審査自体が通りにくくなるケースもあるため注意が必要です。



法的規制と所有者の責任について押さえておくべき点

擁壁のあるご自宅を売却する際には、法令に基づく規制と所有者としての責任を正しく理解しておくことが非常に重要です。

項目内容ポイント
建築基準法・がけ条例高さ2メートルを超える擁壁は「工作物」として、建築確認申請が必要になります。安全性を公的に確認できる証明が必要です。
宅地造成等規制法宅地造成工事規制区域では、盛土・切土により高さ基準を超える擁壁を設ける場合、事前に許可や届出が必要です。区域内かどうか、市役所で確認しておきましょう。
所有者責任擁壁の維持管理責任は所有者にあり、売却後も購入者へ契約不適合責任(瑕疵担保責任)が引き継がれます。重要事項説明で正確に伝えることが義務です。

まず、ご自宅に高さ2メートルを超える擁壁がある場合、建築基準法上では工作物と見なされ、構造計算を踏まえた建築確認を受け、完了検査・検査済証取得が必要です。検査済証がないと安全性が公的に認められず、売却に不安が生じやすくなります。

さらに、宅地造成等規制法の規制区域内では、特に盛土や切土により高さ1~2メートルを超える崖・擁壁を生じる場合には、都道府県知事の許可が必要です。


除却工事も含め、事前の届出が義務付けられることがありますので、市役所や都道府県庁で対象区域かどうかを確認しておきましょう。

加えて、擁壁は単なる構造物以上に、崩壊時の被害や近隣への影響に対して所有者として常に責任を負うものです。売却後は、購入者に対する契約不適合責任として、瑕疵担保責任が引き継がれるため、重要事項説明で擁壁の状態、検査済証の有無、過去の補修履歴などを正しく伝える必要があります。



正確な説明は、買い手との信頼関係を築く上で不可欠です。





売却をスムーズに進めるための事前チェックポイント

以下は、擁壁のある住宅を売却する際に、事前にご自身で確認・準備しておくべき主なチェック項目です。事前の対応をしっかり行うことで、買い手の安心感を高め、売却を円滑に進める手助けになります。

チェック項目 具体的内容 目的
ひび割れ・傾き・排水設備 ひび割れの有無(細かいものも含め)、擁壁の傾きや膨らみ、排水口(通水穴)の詰まりや漏れなどを目視確認 構造上の不安要素を把握し、事故リスクへの備えを示す
書類の確認 建築確認済証や工事記録、過去の擁壁設置に関する許可書や検査済証を市役所等で確認・収集 法的適合性や工事履歴を明示し、信頼性を高める
専門家による現地調査 技術者による擁壁の安全性評価や劣化診断を依頼し、調査報告書を取得 安全性が客観的に証明され、価格交渉時に武器になる

まずは、ご自身で擁壁の表面を観察し、ひび割れ(たとえば幅0.3mm未満のヘアクラックや大きな貫通クラック)の有無、表面の膨らみや傾き、排水口の状態(詰まりや漏れ)がないかを確認しましょう。これにより、内部構造の劣化や水圧による影響があるかどうかを判断する手がかりになります。


次に、市役所の建築指導課や開発指導課などで、建築確認済証や擁壁工事に関する工事記録、許可書、検査済証などの書類の有無を確認しておくことが重要です。これらの書類の確認により、擁壁が法律・条例に適合して施工されたものであることを説明する材料になります。


さらに、安全性や劣化状況を客観的に示すために、専門家(例えば構造設計者や地盤の専門技術者)による現地調査・安全性評価を依頼し、その結果を報告書として準備すると安心です。調査報告書は、買い手に対して明確な安全性を示す証拠となります。

これらの準備をしておくことで、買主からの不安を解消し、価格交渉にも有利になります。安心・安全な取引のための重要なステップとして、ぜひ積極的に取り組んでください。





まとめ

擁壁がある家の売却を考える際は、擁壁の安全性や法的な規制、事前準備が重要となります。特に、古い擁壁や現行基準を満たしていない構造の場合、買い手に不安を与えやすく、売却価格やローンの審査にも影響が及びます。また、所有者には適切な管理責任があるため、必要な書類や現地調査の準備を欠かすことができません。安心して次のステップに進むためには、現状を正確に把握し、丁寧な対応を心掛けることが大切です。家の売却を成功させる第一歩として、ご自身の物件を一度見直してみましょう。

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