不動産購入で利用できる住宅ローンの種類は?金利プランについても解説
不動産は高額な買い物であることから、金融機関などで住宅ローンを借りて資金を確保することがほとんどです。
しかし、不動産購入の住宅ローンにはさまざまな種類があり、選び方に迷うことも珍しくありません。
そこで今回は、不動産購入で利用できる住宅ローンの種類と選び方のポイント、利用する金利プランについて解説します。
不動産購入で利用できる住宅ローンの種類
不動産購入で利用する住宅ローンには、借り入れ先によってさまざまな種類があります。
まずは、どのような種類の住宅ローンがあるかチェックして、自分にあった借り入れ先を考えてみましょう。
民間融資
不動産購入で利用する住宅ローンのなかでも、銀行といった民間の金融機関が提供している種類の商品を民間融資とよびます。
また、都市銀行や地方銀行などさまざまな銀行が存在していますが、各銀行によっても提供する商品の種類は異なります。
民間融資は、インターネット上で手続きが完了する手軽さをアピールしている商品や、自社サービスとの連動でメリットがある商品など、多彩な品ぞろえが特徴です。
公的融資
公的融資とは、自治体などの公的機関が提供している種類の融資です。
公的融資のなかのひとつには、サラリーマンが利用する財形融資が挙げられます。
財形融資の利用条件には、勤務先で1年以上財形貯蓄をおこなっていることと、残高が50万円以上あることが求められます。
このほかの公的融資の種類として挙げられるのが、地方自治体による自治体融資です。
自治体融資はおこなっている地方自治体が限定されているほか、自治体ごとに収入・居住期間・年齢といった要件が定められています。
協調融資
民間融資と公的融資の中間的な種類となるのが、フラット35などの協調融資です。
協調融資とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供する商品で、借り入れ当初の金利が最後まで続く長期固定金利に特徴があります。
協調融資を利用する場合、借り入れ窓口は銀行などの民間の金融機関です。
また、申し込む銀行によって金利が違うことは注意点です。
フラット35を利用するには、住宅が一定の技術基準を満たす必要があります。
このほかにも、年収ごとに年間の返済負担率にもルールがあるとともに、申し込む方についても条件が定められています。
不動産購入における住宅ローン選びのポイント
不動産購入では、自分に合った住宅ローンを選ぶ必要があります。
住宅ローン選びでポイントとなるのは、金利や返済方法などです。
金利で選ぶ
不動産購入で住宅ローンを利用する場合には、いくつかの金利タイプのなかからいずれかを選択する必要があります。
金利タイプには、金利自体は低いもののリスクがあるものや、金利自体は比較的高く安定しているものがあります。
選んだ金利タイプによって、トータルの返済金額が変わることから、金利は住宅ローン選びで大切なポイントです。
金利が低ければ返済総額を減らせるものの、金利が上昇するリスクに注意する必要もあります。
金利から住宅ローンを選ぶのであれば、安定した返済のためにも金利変動リスクについて把握することも重要なポイントです。
返済方法で選ぶ
不動産購入における住宅ローン選びのポイントとなるのが、自分に合った返済方法を選ぶことです。
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。
元利均等返済とは、借り入れ金額と利息を合計して毎月同額を返済するもので、資金計画の立てやすさにメリットがあります。
ただし、利息から先に減っていく返済方法であることから、借り入れが残ることで返済総額が増えることはデメリットです。
一方の元金均等返済とは、元金部分の返済額が毎月一定になるものです。
元利均等返済と比較して、返済総額を減らせるメリットがあるものの、借り入れ可能額は少なくなることがデメリットとなります。
ライフプランに合った商品を選ぶ
不動産購入で利用する住宅ローン商品のなかには、自社サービスなど付加価値のあるものも多く存在します。
こうしたサービスに着目し、ライフプランに合った商品を選ぶことも、住宅ローン選択のポイントです。
たとえば、金利変動のリスクを回避したいならば、長期間固定金利のフラット35を選ぶのがおすすめです。
フラット35には、子育て支援型や地域活性化型といった魅力あるプランもそろっているため、利用を検討しても良いでしょう。
さらに、中古住宅を購入してからリフォームしたい場合には、フラット35リフォーム一体型などを検討するのがポイントです。
子どもの成長に合わせた教育費の負担が心配であれば、借り入れ期間の違うフラット35を2本借り入れるダブルフラットにメリットがあります。
とくに教育費が増える子どもの大学進学までに重点的に返済をおこないたい場合などに、このダブルフラットはおすすめです。
不動産購入で利用できる住宅ローンの金利プラン
金利プランは住宅ローン選びの重要なポイントとなります。
3つの金利プランのなかから自分に合った金利プランはどれなのか、それぞれのメリットやリスクをチェックしてみましょう。
変動金利型
変動金利型には、当初の金利自体が低いメリットがあります。
そのため、返済の負担を減らしたい方から人気の高い金利タイプではあるものの、返済期間中に金利がアップするリスクには注意が必要です。
変動金利型とは、半年ごとに金利が見直されるとともに、5年に1回返済額の見直しがおこなわれます。
この見直しによって返済額がアップする場合でも、上限は前回の1.25倍と定められているためリスクの予想は可能です。
変動金利型を選ぶ場合には、現時点での金利の低さだけを見るのではなく、将来的な金利上昇リスクが複数回あることについてよく考える必要があります。
固定金利型
固定金利型は、長い返済期間にわたって金利上昇リスクがないことがメリットです。
したがって、金利がアップした場合に返済が困難になることを心配されている方などに、この固定金利型はおすすめできます。
ただし、変動金利型と比較して、借り入れ当初の金利自体が高く設定されていることは注意点です。
不動産購入では、変動金利型の金利上昇リスクと固定金利型の金利の高さを比較して、どちらをとるか考えることが大切になります。
固定金利型をおすすめできるのは、リスクを避けたい方のなかでも、安定した資金計画が必要になる子育て世帯です。
長い返済期間のなかでは、子どもの進学といったお金のかかるイベントが待っているため、住宅ローン返済とともに貯蓄が必要になります。
安定した住宅ローンの返済とともに安定した貯蓄が必要な方は、固定金利型の利用を検討しましょう。
固定金利期間選択型
変動金利型の金利の低さと固定金利型の安心感の両方を選びかねている場合には、固定金利期間選択型も検討してみると良いです。
固定金利期間選択型には、2年・10年・20年など固定金利期間を選択できることに特徴があります。
この固定金利期間は、金利が変動しないのはもちろんのこと、返済金額も変わらないためリスクを減らせます。
固定金利期間が終了した後には、その時点での金利を把握したうえで次の金利を選べることもポイントです。
金利自体は、固定期間によって定められていて、リスクの少ない長期間の固定期間では金利が高くなることは注意点です。
ただし、一定の条件を満たす方に対しては、不動産購入の金利引き下げサービスが適用されることもあります。
さらに、15年以上の長期間にわたり固定金利を希望するならば、長期間固定金利が特徴であるフラット35とプラン内容をチェックするのがおすすめです。
まとめ
不動産購入で利用できる住宅ローンには、民間融資・公的融資・協調融資の3種類があります。
住宅ローン選びは、種類とともに金利タイプや返済方法などを考えることがポイントです。
変動金利型・全期間固定金利型・固定期間選択型といった、選べる金利タイプの内容もチェックして、住宅ローンの利用を考えてみましょう。